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コラム・素領域

2024年9月20日号

素領域

第34回イグ・ノーベル賞の授賞式が9月12日に開催され、18年連続で日本人の受賞者が誕生した。今年は武部貴則氏(東京医科歯科大学教授、大阪大学教授)らの研究グループが「ブタなどの動物がお尻を通じて呼吸できることを発見した」ことにより生理学賞を受賞した▼武部氏らは昨年3月にブタを用いた実証に成功。液体酸素パーフルオロカーボンを低酸素血症ブタの腸管に投与する腸換気法が、自己肺機能に依存しない換気効果をもたらすことを証明した。さらに腸管から流出する複数の静脈血行を介して酸素化をもたらすメカニズムを解明した。ブタのような大型の動物で実証したことで人への適用可能性が高く、疾患あるいは事故など様々な要因で生じる呼吸不全に対する呼吸補助療法として実用化が大きく期待されている▼授賞式はマサチューセッツ工科大学で開催され、武部氏には1997年にノーベル経済学賞を受賞したロバート・マートン氏から賞状などが贈られた。その様子は動画サイトで見ることができる▼同賞は人々を笑わせ、そして考えさせる業績を表彰することで、科学、医学、技術への関心を高めることを目的としている。昨年から開始された公式イベント「Ig Nobel Face-to-Face」は今月米国で開催。日本でも11月に昨年と同じく日本科学未来館(東京都江東区青海)で開催されるという。昨年は過去から現在にいたる複数のイグ・ノーベル賞やノーベル賞受賞者らが参加して開催され、盛況だった。今年も要事前登録制と思われるので、ご興味ある方は同館のWEBサイトのチェックをお忘れなく。

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