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コラム・素領域

2024年12月6日号

素領域

新たな日本学術会議のあり方について、その概要が固まってきた▼特別な法人として設立し、主務大臣は、会員や中期計画の認可に関与しないが、毎年度の事業計画と監事については認可することで、国が財政的な支援を行う。外部評価委員については、会長が任命し主務大臣が認可する。選考助言委員会を設けて、学術会議が定める選考方針について意見を述べる(会員選考そのものにはかかわらない)。会員選考では、分野ごとに投票を行い、その後より広い分野で投票を行うなど複数回の投票制度を導入する。会員数は徐々に300人程度に増やし、定年を75歳に延長する▼有識者懇談会の岸輝雄座長は「懇談会では、学術会議を応援しようという雰囲気が非常に強くでてきた。私は今がチャンスだと思っている」と話す▼一方、学術会議側は、主務大臣の関与について「学術の独立性が損なわれる可能性がある」として反発している。ただし、法制度論上、主務大臣の関与なしに政府から資金を出すことは難しい▼元学術会議副会長として岸座長は「そんなだらしのない姿勢では駄目だ」とした上で「外部の人に関与してもらうことで、ファンが増えるんです。懇談会のメンバーも最初のうちは厳しい人がいたけれども、1年も議論すると、皆が学術会議の必要性を理解し応援している」と話す▼学術会議と政府の間には、まだ埋まっていない溝があるものの、歩み寄りが進んでいる。政治的圧力が低下している今だからこそ、新生学術会議創設に向けた第一歩を踏み出せる可能性がでてきた。

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