明けましておめでとうございます。2025年の干支は乙巳(きのとみ)、動物ではヘビとなります。過去の乙巳の年には大きな変化が起こりました。例えば、中大兄皇子と中臣鎌足が蘇我入鹿を暗殺した乙巳の変が起こり、天皇中心の国づくりの基礎がつくられた645年。平家が壇ノ浦で敗れた1185年。近年では日露戦争が終結した1905年も乙巳の年です▼日本の研究の状況を見ると、一部のスター研究者は光り輝いていますが、多くの研究者は研究費や研究時間の確保に四苦八苦しています。以前、阿部文科相に話を聞いたとき、大学教員の役割を教育と研究で分けるべきではないかという話を聞きました。このアイデアは、以前から一部の大学関係者から出されていましたが、なかなか進まなかったものです▼第7期科学技術・イノベーション基本計画の検討がいよいよ本格的に進みます。今回は、日本学術会議から計画に向けた提言が出され、さらに個別課題について共に協議していく用意があることが表明されました。一方で学術会議の法人化に向けたプロセスが始まります▼国際卓越研究大学やJ-PEAKSの追加決定が行われます。先行している大学の取り組みを参考に、各大学が研究力強化に向けた様々な取り組みを進めることが期待されています。同時に政府には規制緩和などの加速が求められています▼乙巳の年は古くから復活と再生の年と言われており、今年は日本の研究力や国際的な存在感が高くなる大きなターニングポイントになることを期待しています。
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