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コラム・素領域

2025年3月14日号

素領域

緑内障は不可逆的な視力障害につながる可能性のある進行性の視神経損傷を特徴とする眼疾患で、最新の統計では日本の中途失明の原因の第1位であることがわかっている▼慢性緑内障には眼圧の相対的上昇が関わるが、正常眼圧の場合も多く、障害は数十年という長い時間をかけて徐々に進行する。ほとんどの場合片目だけに起き、初期には視野の欠損は小さい。通常、人は両眼で物を見ることから視野異常が補われて気づかず、潜在的な罹患者は多いとみられる。それに対し急性緑内障は、眼の痛みや吐き気など強い症状が急激に現れる▼角膜と水晶体を循環する眼房水の排出がなんらかの原因で滞ることで眼圧が上昇し、視神経を圧迫することで起きる。障害を受けた視神経は回復できないため、基本的な治療は進行の抑制になる。ハイリスク要因として40歳以上、近親者が緑内障、近視または遠視、高血圧、眼球の怪我などがある。また抗コリン薬の投与は緑内障を悪化させる可能性があるので注意を必要としている▼緑内障を意味する英語「glaucoma」の最古の記載はヒポクラテス全集で、古代ギリシャ語のglaukos(青緑色)が語源だといわれている▼早期発見と治療継続を啓発する世界緑内障週間は、今年は3月9日から15日まで開催。期間中は日本緑内障学会が「ライトアップinグリーン運動」を非営利で展開し、公共施設やクリニックなど1500件以上が参加している▼参天製薬やロート製薬の製品情報サイトではセルフチェック素材を公開しているので、ぜひお試しください。

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