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コラム・素領域

2025年3月21日号

素領域

会社で使っているパソコンに、利用もしていないのに、金融機関や通信事業者、ネット通販会社などを装った不審なメールが最近多く届くようになった。かなり以前からあったが、減ったなと思っていると再び増える。どうも周期的に繰り返して送られてくるようだ。パソコンだけではない。スマホにもそうしたメールや電話が着信する▼自宅の固定電話にも詐欺まがいの怪しげなセールスや勧誘などの電話がかかってくる。自分のメールアドレスや電話番号をどう知ったのかと不快な気持ちになる。便利な社会になった半面で、いやな世の中になったとも感じる▼グローバルなサイバーセキュリティ企業のカスペルスキーは、世界中の同社製品が昨年ブロックした不正なウェブサイトへのアクセス数が、前年より26%も増えて約9億回に達したと発表した▼サイバー攻撃も引き続き活発であり、手段は巧妙化し続けている。サイバー犯罪者は、有名ブランドの宿泊予約サイトやSNSサービスなどを偽装した不正なウェブサイトで、認証情報の窃取やマルウェアのインストールを試みていたという▼同社製品は悪意のあるメールの添付ファイルを開こうとする試みを、個人ユーザーと企業ユーザーで合計1億2500万回以上ブロックしたという。まさに「油断は禁物」というのが、ネット社会の現状だ▼スマート社会という言葉も使われるが、こんな状況のどこがスマートなのだろうか。さらにこうした犯罪行為が生成AIの普及で一層の脅威になる心配もある▼そろそろ、このような行為を防止する体制や手段を世界中が本気で考えて実行する時期が来ているように思う。犯罪の加速を止められなければ、ネット社会の繁栄も長くは続かないだろう。

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