科学新聞の1面に掲載している『素領域』全文と、Web限定コラムをお読みいただけます。
政府はセキュリティクリアランス制度を創設するための検討を始めた。セキュリティクリアランスは、国家における情報保全措置の一環として、政府が保有する安全保障上重要な情報を指定し、その情報にアクセスする必要がある人に対して政府が調査を行い、その人の信頼性を確認した上でアクセス権を付与する制度。情報を漏洩した場合には厳罰が科される▼制度の概要からすると、公務員の一部にしか関係がないのではないかと思われるか…
日本は後れをとったデジタル化を急いで進めてイノベーションを起こし、新産業を創出して産業再生などにつなげようと、政府が盛んに施策を展開している▼デジタル活用でキャッシュレス化、ペーパーレス化、リモート化、無人化などを進め、無駄をなくして効率化を進める。その先導役とするべく、マイナンバーカードの普及拡大を進めている▼インターネットの普及、デジタル化の進歩で確かに便利になった。スマートフォンやパソコンを…
これからのAI(人工知能)はどこまで発展し続けるのであろうかと、つい素朴な疑問を抱いてしまう▼AIは今や人間社会の数多くの場面に入り込み、縁を切ろうにも切ることができない存在となっている。例えば、腕時計に時刻表示以外の機能が盛り込まれ、血圧、心拍数、血中酸素濃度などの情報を記憶し、瞬時に健康状態がつかめるうえに、そのデータをためておいてくれる。高血圧で日頃主治医のお世話になっている身にはありがたい…
2月14日はバレンタインデー。ローマ帝国時代の西暦269年に殉教した司祭に由来し、キリスト教圏では恋人や家族、親友などが愛を祝う日とされている▼日本では大切な人にチョコレートを贈る習慣が定着しているが、これは洋菓子メーカーのメリーチョコレートが1958年に提唱し、広く社会に定着させた功績に対し、2013年に日本記念日協会から記念日文化功労賞(第3号)が贈られている。ちなみに3月14日のホワイトデー…
理研が若手研究者の支援制度を充実させると発表した。スタートアップ経費や研究費、スタッフなど、研究に専念できる環境づくりのための支援とともに、任期なしのポストへのステップアップも可能にしており、今後、優秀な若手が挑戦的な研究に取り組むことで、日本から新たな価値が生まれることが期待される▼理研といえば、任期付き研究者の雇用問題がクローズアップされている。労働契約法改正により、任期付き雇用は5年を上限に…
世の中の動静を知るのに様々な統計が役立つ。最近では、中国の国家統計局が1月17日に2022年末の人口を発表し、約60年ぶりに前年人口より減少したニュースがテレビや新聞などで大きく報道され、話題になった▼また日本の人口トピックスとして、総務省統計局が今年の干支である卯年生まれの1月1日現在の人口を997万人と発表している。総人口1億2477万人(男性6065万人、女性6412万人)に占める割合は8%…
世界的な時刻の管理を担っている組織が国際度量衡総会であるが、昨年11月の会議で「うるう秒」の実質的な廃止が決議された▼時間はもともと地球の自転に基づいている。地球が自転し、24時間で1回転するものとして、その8万6400分の1を1秒としている。ところが、自転は潮の満ち引きなどの影響で微妙に変化する。各国の標準時である協定世界時(UTC)は、高精度な原子時計により決められている。うるう秒は、地球の自…
今年の干支は卯。日本では古くからウサギは身近で古い童謡によく登場し、日本最古の書物「古事記」にも因幡の白兎がでてくる。三内丸山遺跡の縄文時代前期中頃(約5500年前)のごみ捨て場からはノウサギの骨が多くみつかっている▼日本には数種類のウサギが野生で生息しているが、環境省のレッドリスト2020ではニホンノウサギの一種であるエゾノウサギとエゾナキウサギは準絶滅危惧、アマミノクロウサギは絶滅危惧IB類に…
新年あけましておめでとうございます。昨年も科学技術や学術をめぐる様々なできごとがありましたが、今年も研究コミュニティに役立つ情報の発信に努めていきます▼来年度予算案が閣議決定され、研究費も充実することになったわけですが、一方、年末にいろいろな問題が発生しました。一つは福井大学を中心とする査読不正問題です。ムーンショットプログラムのPMを務める福井大の教授が、千葉大、金沢大、浜松医大の3人からの求め…
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