第49回衆議院議員総選挙と第25回最高裁判所裁判官国民審査が10月31日に行われる。期日前投票の期間は20日から30日に指定され、各自治体は各所に投票所を設けている。自治体によってはWebサイトに混雑の程度を表示しているので感染症対策の参考にしてほしい▼期日前投票は、公職選挙法の一部を改正する法律が第156回国会で成立し、平成15年(2003年)12月1日から施行。従来の不在者投票制度が改められ、手続きの簡素化が図られている。改正前は役所の窓口で投票用紙を二重の封筒に入れるなど手間がかかった▼日本の投票率は低下傾向にある。総務省によれば、全年齢を通じた投票率は直近の選挙で衆参ともに50%で、若い年代ほど低い。今回の選挙は10代にとって2回目の衆議院議員総選挙になるが、参議院議員通常選挙では10代の投票率は2回目で約32%となり、1回目の約47%から20代と同程度まで大幅に下がった。今回の選挙ではコロナ渦の影響で従来との変動が予想されるが、長期的に投票率が上がる方策が必要とされている▼若者の投票率向上のためネット投票の検討が2017年くらいから政府で進められている。マイナンバーカードを使った在外選挙人を対象とした実証実験では、セキュリティ対策などにまだ課題があるという。しかし実現すれば、幅広い人に平等な投票環境が提供できるようになる。多少の時間はかかっても実現を期待したい。
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