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コラム・素領域

2022年5月13日号

素領域

コロナ禍の影響で、ステイホームに慣れてしまい、外に出ることにおっくうになってしまっている人もおられるだろうと思う▼そのことが健康面で危険信号となるというデータを紹介しよう。日本人成人は1日平均7時間座っているとか。これは世界一の長さだという。米国の大学の座位行動に関する研究によれば、座ってばかりいると、心臓病で6%、糖尿病7%、大腸がん10%とそれぞれ罹患するリスクが高まるそうだ。逆に座りっぱなしを控えることで早期死亡率を9%ほど低くすることができる▼日頃健康診断を担当している医師によると「このデータは日本でも当てはまります。特に外で座りっぱなしの仕事をする人です。そのような人は、水分補給に手っ取り早い缶コーヒーなどの飲料を飲む傾向が強く、糖尿病などの生活習慣病になりやすいという報告があるくらいです」と警告する。そもそも人間は、体を動かすようにできている脳をもつと言われている▼そのため日中に体を動かさないと、交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかなくなり、自律神経が乱れてしっかりと休めないことになる。これにより記憶能力の低下や注意力の散漫につながり、やがて体全体への弊害へと進んでしまうわけである。人間は立っているだけで1時間50㌔カロリー消費する。ということは、仕事の効率や健康のことを考慮しても、立っている時間を増やすことは理にかなっていることといえる▼全都道府県で、緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置による制限がなくなり、外出がしやすくなった今だからこそ、適度に体を動かすことを意識してはどうだろう。できれば習慣にしてしまうことだ。

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