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コラム・素領域

2018年10月5日号

素領域

AI人材を確保しなければ、米中に追いつくことも難しい。文部科学省は、統合イノベーション戦略推進会議の示したAI戦略案に対応して、人材育成を強化する▼すべての学生がどの学部に進学しても、数理・データサイエンスの基礎的な素養を身につけられるよう、全学的な数理・情報教育を強化する。拠点校とコンソーシアムによる標準カリキュラム・オンライン教材を着実に開発するとともに、協力校の整備による、標準カリキュラムを活用した具体的な教育モデル普及の加速等により、現行の1万5000人から10万人に実施規模を拡大し、2021年には数十万規模を目指す▼博士課程教育は各研究室中心で行われているが、研究室によっては国際レベルの教育ができていないのではないか。そこで文科省は、来年度から世界で活躍できる研究者戦略育成事業(新規5億6700万円)をスタートする。研究者が身につけるべき能力と教育カリキュラムで得られる能力を可視化して、研究者育成のための標準モデルを構築。それを各大学等で実践する。1拠点1億2000万円(4拠点)を10年間支援し、カリキュラム構築と普及を目指す▼論文数や被引用数で見ると、中国の台頭により、先進各国の相対的な存在感は低下している。その中にあってイギリスは、日本よりも少ない研究開発投資で、日本よりも大きな存在感を示している。彼らは以前から研究者が身につけるべき能力を可視化し、教育プログラムを策定してきた。質が保証された研究人材こそが競争力の源泉であることを知っているからだ▼AI人材にしろ研究人材にしろ、質の高い教育をいかに提供できるかが最も重要なことだ。

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