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コラム・素領域

2018年10月12日号

素領域

今年もノーベル賞が発表され、日本人では本庶佑氏がノーベル生理学・医学賞を受賞した。弊社一同、心よりお祝い申し上げます▼今後、授賞式が例年通り、ノーベルの命日である12月10日に、平和賞はオスロ市庁舎(ノルウェー)、それ以外の4賞はストックホルム・コンサート・ホール(スウェーデン)で開催される。今年は文学賞の延期が決まっているため、例年より1賞少ない授賞式となるとみられる▼ノーベル賞は1901年にアルフレッド・ノーベルの遺言によって創設された。その莫大な遺産のほとんどを投じ、現在もその運用によって賞が維持されている。彼が考えていたことを知るのは不可能だが、亡くなる1年も前に遺言書は作成されていたという。受賞者の多くが賞金を若手研究者の育成など教育に投じていることを考えれば、その遺志は生き続けているのかもしれない。今年の受賞者である本庶氏も、賞金を若手研究者育成のために用いる考えを示している▼近年、政府の科学研究開発、特に基礎研究に対する予算削減は著しい。受賞者はみんな、この現状を憂慮し改善を求めているが、あまり考慮されているようには思えない▼受賞者の国籍を見れば様々で、必ずしも生まれた国に所属してはいない。今は研究留学の頻度は減少傾向だそうだが、いざとなれば優秀な人はどこにでも行ける。政府への信用が揺らいでいれば、見限りも早いだろう。

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