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コラム・素領域

2018年10月19日号

素領域

ノーベル生理学・医学賞を京都大学の本庶佑特別教授が受賞した。2年ぶりの快挙で喜ばしい限りである▼免疫をガン治療に応用し、生かすための手がかりを見つけ、新しいタイプの治療薬の開発に結び付け、ガン治療に革命をもたらしたことが評価された。ただ、この喜ばしい話に水を差すわけではないが、近い将来日本がノーベル賞ばかりでなく、世界的な賞から見放される日、受賞者が出なくなる時期がくるのではないかとの懸念が叫ばれ始めている▼その根拠として、ジリ貧になっている日本の研究開発費が挙げられている。経産省がまとめた調査によると、研究開発費総額は2007年以降17兆円から19兆円と横ばいで推移し、増える傾向にない。しかも、OECDデータをもとにまとめた研究開発費の政府負担割合(2015年)が主だった欧米・アジアの国々に比べて低い▼仏34・59%、英27・98%、独27・89%、米24・04%、韓国23・66%、中国21・26%で、日本はというと15・41%とかなり低いことが分かる。確かに研究開発費は多いに越したことはない。ただ、最近の研究力の低下には、ほかにも根本的な理由があるように思える。大学等の研究施設には、最先端の機器類がそろってはいる▼とはいうものの、その維持・管理、メンテナンスをはじめ、得られたデータの分析処理がきちんとできているのだろうか。それができていないと研究そのものが停滞してしまう。その部分を担う人材が不足していることが懸念されている。これからはコンピューター化がどんどん進み、大量のデータであふれることになる。AIの導入なども否応なしに進んでいくことだろう。その中で研究者が的確にデータの真偽を判断しなければならない▼そこをサポートしてくれる人材の養成が急務である。

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