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コラム・素領域

2018年10月26日号

素領域

グローバリゼーションの先頭を切って世界中の国々の様々な壁を壊してきたアメリカが、トランプ政権になった途端に保護主義を強め、今度は自ら壁を築き始めた。こんな身勝手はないと思う▼いま盛んに叫ばれているイノベーションもアメリカから始まったが、今後それが世界中に浸透したら、アメリカはまた違う戦略を言い出し始めるのだろうか▼これは、国家戦略というのは他国や世界のためにあるのではない。自国のためのグローバリゼーションであり、イノベーションなのだということを言っているのと同じだ▼それなら、日本もただアメリカの動きを追随するのでなく、日本に有利なグローバリゼーションやイノベーションを国家戦略として追い求めねばならない▼特にイノベーションでは、乗り遅れた情報通信分野よりも、やはり戦略としてはものづくり分野に力を入れるのが得策なのではないか。10月17日から東京ビッグサイトで開かれたロボットの国際大会「WRS2018」を見てきた▼モノを組み立てたり移動させたり、瞬時に検査したり、作業を手伝ったりする様々な産業ロボットや、多彩なサービスロボットが紹介されていた。見ていて思わず笑ってしまうのが、拍手するロボット、お湯をいれた茶碗の中で茶筅を使って上手に抹茶を溶かす産業ロボットのデモだ▼さらには、薬の飲み忘れを教える見守りロボット、来場客と楽しく会話する案内ロボット、人力車にも応用できる移動型ベースロボットなど、親しみを感じるものも多かった▼「これは思わぬヒット商品が出てくるかもしれない」と期待を抱かせるような展示状況であった。ものづくりはもう駄目だという企業家もいるようだが、あきらめるのはまだ早い▼このロボットのように、日本が得意とするものづくりの分野でイノベーションを起こす戦略を、さらに追求すべきだ。

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