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コラム・素領域

2018年3月2日号

素領域

総務省統計局「国勢調査」資料によると、戦後、3大都市圏を含む関東、近畿、東海ブロックの人口が増加し続けており、特に戦後一貫して、東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)を含む関東への集中が続いているという▼資料によれば、2015年の時点で、関東地域の人口が全国に占めるシェアは35%以上で、ほぼ日本の人口の3分の1が関東地域に集中していることになる。東京圏だけでも30%近い▼いま、ICT(情報通信技術)が高度に発展し、インターネット、ブロードバンドの時代から、さらにAIやIoT、ビッグデータの時代へと急速に移行している。テレワークなどで遠隔地にいても仕事ができるようになり、大都市圏への人口集中緩和につながるのではないかという期待もあったが、実情はこれに反している▼かつて、日本の山村の過疎化が問題になり始めたころ、それならば街に通じる道路を整備して便利にすれば、人々は村にとどまることを選び、移住はしないだろうと考え、道路をつくった▼そうしたら、その道路を使って街に出かけるようになった人たちが、便利な街の暮らしになじみ、憧れを持ち、しまいには街の方へ移住してしまい、過疎化が加速したという笑い話を聞いたことがある▼同じようにICTが発展してネットが全国、世界中につながるようになって、今度は日本だけでなく世界中から日本の大都市に人が集まり始めている▼さきほどの道路の話に倣えば、ネットで大都会の様々な情報に触れる機会が増え、日本の大都市の魅力を知った人たちが、国内ばかりか、世界中から集まって来るようになったということなのだろうか▼一極集中の緩和、地方活性化は日本の大きな政策課題だが、実情は集中が止まらないようで、その解決にはまだまだ時間がかかりそうである。

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