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コラム・素領域

2018年2月2日号

素領域

AI(人工知能)が進化し、様々な分野で応用開発の動きが進展している。AI自体の研究開発も盛んである。そして、周辺ではインターネットやモバイル端末が急速に普及し、IoT、ビッグデータ、クラウドなどICT(情報通信技術)の躍進が止まらない▼他へ目を向けても、ロボット工学や自動運転、量子コンピューター、iPS細胞、宇宙ステーション等々、多くの分野で目覚ましく発展している科学技術がある▼かつて、技術開発には発散と収束の時期があるという話を聞いたことがある。今日の科学技術の発展の様子を見ていると、今はその技術の収束の時期にあたるのではないかという気がする。個々に発展してきた科学技術が、ここに来て互いに寄り集まってつながり、従来にない新たな科学技術の時代を創出しようとしている▼これは、まさに技術の収束であり、それによってもたらされるイノベーションである。その中心にいるのがICTであり、将来はAIが中核に居座ることになるのかもしれない。ただ、この動きが今後さらに加速していったら、未来社会はどうなっていくのか▼SF映画ではないが、AIに支配されたネットワーク社会が形成され、AIというマシンに管理されながら人々が生きていく時代が本当に到来するのであろうか▼インターネットの社会への急速な浸透や、スマートフォンのものすごい速さの普及など、急激な変化の中にいると、そうした未来の到来も危惧せざるをえない▼だから、人々の生活やビジネス、さらには社会全体にまで影響を及ぼす科学技術、とりわけAIやICT、iPS細胞などについては、人々に恩恵を与える利用の在り方とは何なのかを、いまからしっかりと議論していく必要があると思う。急激な科学技術の革新は、それを求めている。

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