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コラム・素領域

2019年1月18日号

素領域

知人でこんな人がいる。定年後に第二の人生を新たな職場で過ごし、そして今また新たな仕事を見つけるための活動をしているのだ▼もうあくせく働くことなく悠々自適に過ごしたらと思う。一方で、仕事を通して社会との接点をもつことは大切で、特に高齢者になればなるほど健康面での良い影響をもたらすと言われている。それを数値化した研究が、WHOがまとめている学術誌で最近報告されている。定年後の暮らしと健康との関係を考察したものだ▼60歳以上の日本人高齢男性1288人を対象に、定年後の就業状況と、死亡・認知機能・脳卒中・糖尿病の4項目との関係が示されている。それによると、定年後に仕事をしている人は、仕事をしていない人に比べて寿命が1・91年、認知機能低下に至るまでの期間が2・22年、糖尿病の発症までは6・05年、脳卒中で3・35年いずれも長いことが分かった▼もっとも高齢者で仕事を継続できる人は、そもそも健康であるとも言えるだけに、この報告は定年後の仕事と健康状態の因果関係を明確に決定づけるものではない。ただ、仕事をしようとする意思を持ち続けることが健康の維持・増進に大きな要素として働いていることは間違いなさそうである。今や「人生100年時代」と言われ、政府でもそれを見据えた経済社会の在り方を検討している。定年後の過ごし方については、様々な選択肢も用意されている▼人間は一人では生きていけない。定年後の仕事は、社会との接点を維持するためにも、また健康維持にも重要のようだ。

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