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コラム・素領域

2019年4月12日号

素領域

電車の車窓から眺めると遠くの山並みが、春の霞によりぼんやりとかすんで見える▼これは植物の蒸散作用が活発化することで、大気中の水分が微粒子状となり、気温の低下などによって目に見える状態になる現象で、文部省唱歌などに歌われるだけならばほほえましいのだが、最近では、中国から飛来する黄砂によっても引き起こされるのだから穏やかではない。大陸から舞い上がった黄砂の微粒子とともにPM2・5が偏西風に乗り、日本に飛来する。そのリスクが高まるのがこの季節である。お隣の韓国ではすでに問題が発生している▼専門家によると「PM2・5の危険性は、微粒子そのものだけにあるのではなく、それに付着する化学物資やウイルスなども問題です」と指摘する。PM2・5の一部は、インフルエンザウイルスと同じ大きさの超微粒子にばらけ、吸い込むと体の内部に入り込んでいろいろと悪さをする。肺の奥まで入り込み、肺胞に達し、気管支喘息、肺炎、肺ガンなどの呼吸器系疾患の原因になる。また、血液に溶け込んで脳梗塞などを引き起こす▼米国50州・30万人の成人を対象としたコホート研究では、PM2・5が1立方㍍あたり25μ㌘増えると、全死亡率は10%、心肺疾患死亡率で16%、肺ガン死亡率にいたっては21%もアップするという。日本の大気環境基準では、年平均値が1立方㍍あたり15μ㌘以下、1時間当たり35μ㌘以下となっている。ちなみにWHOの基準では年平均10μ㌘、かつ24時間平均で25μ㌘である▼地球で生きている限りリスクは避けられない。警報が出たならば、より気密性の優れたマスクを着用するか、外出を避けることくらいしか手はなさそうだ。

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