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コラム・素領域

2019年4月5日号

素領域

気象庁は今年の東京のソメイヨシノの開花日を3月21日とし、満開日を27日とした。昨年より3日遅く、平年より7日早く満開となった。すでに周囲のソメイヨシノの盛りが過ぎてしまったという方は4月中旬ごろから満開を迎える東北以北を狙ってみてはどうだろうか▼先だってかずさDNA研究所らのグループは、ソメイヨシノのゲノム解読を行うと共に、開花に至るまでの蕾や芽の転写産物の解析を行い、開花予測を行うための遺伝子発現の変化を捉えることに成功した。今後、観測と解析を続けることで、より精度の高い開花予測を行うことができるようになるかもしれない▼関西大学の解析によれば日本の花見の経済効果は、3月下旬から5月上旬の約2カ月間で約6500億円との試算もある。自分を含め、ただ見るだけの人にとっては開花時期のずれも花見の醍醐味と思うが、企業や公共交通機関などもてなす側としては信頼性のある予測は必要だろう▼ワシントンDCの全米桜祭りの開花ピークは、米国の国立公園を管理するアメリカ合衆国国立公園局(NPS)によれば4月1日だという。同地でのサクラの植樹は、ナショナルジオグラフィック誌の写真家で記者、後に初の女性理事となったエライザ・シドモア氏が主導。タカジアスターゼの発明やアドレナリンの抽出に初めて成功した高峰譲吉博士が支援した▼サクラの花言葉は日本では「精神美」などだが、西洋では「優れた教育」もそのひとつとされている。サクラをめでるのと同じように教育も大切にしたいものだ。

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