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コラム・素領域

2019年5月24日号

素領域

東京一極集中や人口減少、地域経済衰退などの傾向が一向に止まらず、地方再生が必至だ。過日、国が進める次の第Ⅱ期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」策定へ向けて、経済同友会も一層の活動推進を提言した▼なぜ、こうした傾向が止まらないのか。特に東京一極集中は古くから言われてきた問題であり、今も進行中の課題だ。それだけ東京は誰にも魅力のある場所なのだろう▼国の中枢機関があって、多くの多彩な企業や文化施設、娯楽施設などが集積し、数多くの大学や教育機関もある。JR・私鉄、地下鉄、モノレール、バスに加え、航空機、フェリーといった公共交通機関も充実し過ぎるほど整備されている▼他の中核都市などに比べ、その集積ぶりは突出し、魅力とエネルギーにあふれている。常に政治やビジネス、教育、文化、娯楽の中心であり、人々を惹きつけている。それゆえに、さらに多くの人が集まるという連鎖が働いている▼でも、これでもし首都圏が大災害に襲われたらどうなるのか。国中の経済や生活に大きな苦難が及ぶのは間違いない。それだけでなく、一極集中は地域の経済や文化の消滅にもつながりかねない▼やはり、この連鎖をどこかで断ち切らないといけない。それには、大胆な政策の実行しかないのではないか。かつて構想された首都移転はどうなったのか▼もし立ち消えになったのなら、東京から遠く離れた地域に、これまでにない魅力あふれる新都市を建設するのはどうか。また、日本を複数州に分けた連邦国家にするのも一案ではないか▼その方が、東京という巨大な一地域の魅力に染まった今の日本とは違って、個々が魅力ある都市や州を選んで住むことができる。国は本腰を入れ、次期総合戦略を練りあげてほしい。

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