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コラム・素領域

2019年5月17日号

素領域

人間、いつまでも向上心を持たなければいけないということを思い知らされた▼札幌在住の101歳の男性が、この春放送大学を卒業したのである。しかも、授業のある大学のキャンパスに通い詰めたというのだから頭が下がる。「自ら学ぶからこそ楽しい」。ご本人の言を聞くとますます耳が痛い。このように高齢で何かを成し遂げた御仁は歴史的にも珍しくない。伊能忠敬は71歳まで測量を続け日本地図を完成させたし、ファーブルは84歳で昆虫記全10巻を完成させている▼なぜ老いてもなお脳のパフォーマンスを向上させることができるのだろうか。その鍵となるのが知能だ。知能は流動性と結晶性に分けられる。流動性知能とは新しいことに適応する能力で、若い人ほど良好とされる。一方、結晶性知能とは言語性の知能で、過去の経験が活かされるため加齢による低下が少ないという▼疑問となるのは、なぜ物忘れなどが起きるのかである。それは、神経細胞であるニューロンとニューロンを結ぶシナプスの働きが弱ってくるためである。老化すると副交感神経や運動神経の末端から放出される神経伝達物質であるアセチルコリンの量が少なくなることが分かっている。しかしシナプスは、外からの刺激が多ければ多いほど発達していく。その働きにも種類があり、同じ年齢ですべてがピークを迎えるわけではないのである▼アメリカの研究により、脳の活動には最適な年齢があることが分かっている。18歳前後では記憶力や情報処理能力、43歳頃は集中力、67歳前後で語彙力がピークを迎えるそうだ。たとえ101歳でも脳は鍛えれば成長する例があるのだ▼いよいよ令和の時代がスタートした。何歳であっても脳を活性化して、この新たな時代を生き抜いていこうではないか。

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