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コラム・素領域

2019年12月6日号

素領域

読者の皆様は“かくれ脱水”という言葉をご存じだろうか。脱水症の一歩手前なのだが自覚症状がなく、体重の1%あまりの水分が失われてしまう症状を指す用語だ▼放っておけば健康に深刻なリスクを及ぼしかねない。脱水などというのは熱中症の心配がある真夏に起きることだろうと安易に考えているとしたら、全くの間違いだそうである。意外にも気温が下がる冬が危ないのだ。この時期は体感温度が低くなるため、のどの渇きを感じる機能が低下し、ついつい水分の補給がおろそかになってしまう▼しかも、基礎代謝が夏よりも上がり、汗をかきやすい体になっている。そこへ暖房のきいた部屋、満員電車、厚着等々の条件が加わり、結構汗をかいているのである。専門家の指摘によると、冬のベトベトした汗には、サラサラな夏の汗に比べて2倍のミネラル分が含まれているというのである▼発汗によって体内のミネラルが不足し、体の機能が正常に働かなくなり、いろいろな面で不調の原因となってしまうわけである。かくれ脱水を放置すると、免疫力の低下を招き、風邪をひきやすくなる。ひいては血栓ができて、より重篤な脳血栓や心筋梗塞になる危険性が高まることになりかねない▼では、どう対処すればよいのか。水とミネラルを一緒に摂取することをお薦めしたい。ただ一度にたくさん飲んでも、血液中には補給されにくい。最近は、ミネラル入りの飲料が多数出回っている。これらを賢く利用し、こまめに、油断せずに水分補給をしていくことが肝要のようだ。

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