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コラム・素領域

2018年7月27日号

素領域

翌日または当日の最高気温がおおむね35度C以上になることが予想される場合、気象庁は「高温注意情報」を発表して熱中症への注意を呼びかける。猛暑日が1週間以上も続いている地域が多い▼総務省消防庁のデータでは、全国で7月9日から15日の間に、熱中症により救急搬送された人は9956人に達している。昨年の同期間中の7414人に比べて2500人以上、3割以上の増加となっている▼都道府県別で昨年より救急搬送された人数が少ないのは、北海道、青森、岩手、宮城、秋田、山形、福島、新潟、富山、沖縄の1道9県だけで、実に全国37府県で昨年より人数が増えている。これまでに経験したことのない、全国的な7月猛暑である▼この暑さ、とにかく日が射すとひどい。日陰を歩きたいと思っても、太陽が真上の方にある日中は、建物などの陰が少なくて逃げる場がない。そんな時に、高層ビル街でも多少の樹木や日陰があると、そこに逃げれば暑さが少しは和らぐ▼場所によっては最近、水を霧状に出すミスト噴霧器などもある。最悪なのは交差点だ。辛うじて信号機の細い陰を見つけるが、先人がいると入れない▼熱中症予防には長時間の運動や力作業などを避けたり、水分をまめにとるなど、いろいろな注意が求められる。通勤外出のないテレワークもよさそうだ▼一方で、これからは人に優しい街づくりが一層望まれる。地球温暖化対策で緑化運動などの重要性が言われているわりには、ビル街や市街地などの緑化があまり進んでいない気がする▼人が集まる商業・公共・文教施設などの周辺には、もっと樹木を植えたりアーケードを築いたりするなど、暑さなどから人を守る街づくりが必要だ▼地球温暖化で、今後毎年のように夏期は猛暑となることが予想される。国をあげた対策が必要である。

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