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コラム・素領域

2018年7月20日号

素領域

「DIYバイオ」なる言葉をご存じだろうか。DIYとは、自身でやるという意味のDo It Yuorselfの略だ▼素人が自分自身で何かを作ったり修繕したりすることで、一頃、日曜大工などでもてはやされた。このDIYにバイオを付けた造語がDIYバイオで、大学や研究機関、企業の研究室に属さず、自宅などでバイオテクノロジーの実験を行う活動だ。最近、米国を中心に話題となっている▼これを可能にした背景には、DNAを効率よく思い通りに操作できるようになったゲノム編集技術の存在があるようだ。しかも実験に用いる器具や薬品、酵素などはネットで簡単に手に入るし、ゲノム編集キットが2万円前後というから驚きである。実際に米国では「ゲノム編集が手軽にできることを世に知らしめたかった」と称して人体実験がネットで中継されているのである▼これまでこうした実験は、厳しい規制のもとで行われるのが常識であった。それが最近、安易に自分の体を実験台にして行う過激な行為が世の中に出てきてしまった。日本でもバイオ技術を自分たちで楽しむ活動が出始めている。現状では、薬を開発し、自分に試しても違法性は問えない。ゲノム編集などの先端技術に対して法的な規制を当てはめようとしても、どうしても後追いになってしまうのが世の常である。しかし、現時点で歯止めをかけなければと誰もが思うであろう▼そうでなけれは先端技術を社会に根付かせることは不可能であろう。今こそ社会全体で、実験を安全に行うための知識を広め、規制し、あるいは倫理感を醸成する方策を早急に確立する必要があるのではないだろうか。

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