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コラム・素領域

2020年3月27日号

素領域

農林水産省は新型コロナウイルスの影響で需要が低下している切り花等の消費拡大を目的に「花いっぱいプロジェクト」を展開している。家庭や職場に花を飾って楽しむことを推奨するものだ。好みもあるとは思うが、ご家族や大事な人に花を贈ってはいかがだろう。外出自粛を求められるいま、身近に花を置いて心を落ち着かせるのもいいかもしれない。ちなみに3月27日は語呂合わせで「さくらの日」(日本さくらの会が1992年に制定)だ▼国際宇宙ステーション(ISS)でも植物は宇宙飛行士の精神安定に一役買っている。NASAでは現在、宇宙ステーションで野菜を育てるプロジェクト「Veggie」を進めている。チャンバー内で育てるため規模は小さいが、将来的には長期の宇宙探査の際に宇宙飛行士に新鮮な食物を提供する手段として期待される。SF映画でみるような大規模な植物工場もそのうち実現するかもしれない▼アフリカで発生した蝗害はサウジアラビアを越え、2月にはインドとパキスタンの国境にまで達した。国連食糧農業機関(FAO)はこのほど特にケニア、エチオピア、ソマリアで引き続きサバクトビバッタの新たな繁殖を確認し、深刻な状況を報告した▼ケニアとエチオピアでは既に新型コロナウイルスの発生が確認されている。これらの国々では慢性的な水不足とそれに伴う衛生的な問題が常にあり、もし感染が拡大したらその被害はより深刻だろう。現在、政府は大規模イベント等の自粛の一部緩和を検討しているが、本来自粛には強制力はなく、だから補償もない。それほど簡単に事が運ぶとは思えない。

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