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コラム・素領域

2020年5月15日号

素領域

ようやく縮小の気配が見えてきた新型コロナウイルス感染。多数の感染者を出している米欧などに比べれば、日本は数の上ではまだ少ない方だが、だらだらと横ばい状態で推移してきたのが、大型連休で縮小傾向が続くようになってきた▼そのため自粛緩和などに動く自治体なども出てきたが、緊急事態宣言の1カ月延長で、さらなる外出自粛、休校、テレワーク、飲食店や娯楽施設などの営業自粛などが続くこととなり、様々な課題が持ち上がっている▼感染した患者を受け入れる医療機関では、医療物資・機器の欠乏、医師や看護師の不足、入院病床の不足などが続き、深刻な状態となっている。医療従事者への感染も広がり、世界一と言われてきた日本の医療が危うい事態に陥っている▼大都市のビジネス街や繁華街からは確かに人の姿は消えた。しかし逆に生活圏にある商店街や郊外のスーパー、ホームセンターなどにはかなりの人出がある。電車や長距離列車、航空機などの公共交通機関はがら空き状態だが、道路には多くの自動車が走っている。やはり外出を抑えることは、そう容易なことではない▼人の我慢、企業や商店などの営業自粛、学校の休校などにも限界がある。すでに緩和などに動き始めた自治体もあるが、国や各自治体は、そう遠くない時期に自粛緩和や解除の目標を示し、国民や企業などの一層の理解を得る必要がある▼そのためには、早く感染の有無を確認する検査体制を充実させ、日本の実態をより明確にし、その上で、最適な対策を考える必要がある▼同時に、早く安心を得るため、有効なワクチンや治療薬が欲しい。すでに各国が開発へ動き出しているが、世界各国が一致団結し、科学技術の総力をあげて取り組むことで、有効な治療薬の一日も早い実現を期待したい。

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