文部科学省は、公立小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校および大学・高等専門学校の新型コロナウイルス感染症の影響による学習指導に関する状況を調査し、結果を17日発表した▼6月23日時点で高校までの学校では、新型コロナウイルスの影響で4月1日以降、小学校と中学校の1%を除き、全ての学校が臨時休業を実施。多くの学校は夏季休業期間の短縮を含めた対策をとっている▼7月1日時点で大学・高専では、全てで授業が実施され、60・1%で対面授業と遠隔授業を併用し、23・8%で遠隔授業のみ、16・2%で対面授業のみを実施している。遠隔授業のみを実施している大学・高専が全面的な対面授業を開始する予定時期については、7月と8月がそれぞれ数%あるが、25・1%が9月以降と回答。それ以外の約60%も検討中としている▼国立情報学研究所では、遠隔授業等の準備および実施状況に関する情報を大学等で共有することを目的に、3月末から現在まで継続して「4月からの大学等遠隔授業に関する取組状況共有サイバーシンポジウム」を開催。授業担当教員による事例紹介だけでなく、その際に生じた問題や課題などの紹介も行われ、同研究所Webサイトでは過去の発表も視聴できる▼こうした発表を聴講するにつけ遠隔授業は教員の努力により授業の質が維持されていると感じる。一方で、これまで行われてきた対面授業と同様に、全てで維持されているわけではないという学生の意見も散見される。授業の質は大学の意義や価値に関わり、遠隔授業の導入はそれを前より見えやすくするかもしれない。よりよい方策の浸透に期待したい。
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