科学技術の進歩に寄与し
豊かな社会発展に貢献する
唯一の専門紙です。
毎週金曜日発行

TOP > コラム・素領域一覧 > 2020年10月2日号

コラム・素領域

2020年10月2日号


Warning: Invalid argument supplied for foreach() in /home/scinews/sci-news.co.jp/public_html/admin/wp-content/themes/scinews_template/single-column.php on line 58

花粉症の原因となる花粉は約60種類もあり、1年を通していずれかが飛散している。飛散時期は地方によって異なるが、関東では秋は9~10月にブタクサ属やヨモギ属、カナムグラがピークを迎え、そのほかイネ、スギなどの花粉が飛散する▼今年春のスギ・ヒノキの飛散花粉数は、昨春および過去10年平均の約4割と少なかった。花粉情報協会によれば来年春は今年よりやや多く、平年と同じかやや少なくなる予想だという▼東京都健康安全研究センターが10年ごとに行っている花粉症患者実態調査の平成28年度調査では、調査区のあきる野市、調布市、大田区の有病率は45%前後で、前回と比較して全年齢層での増加がみられた。他の年齢層より有病率は低いものの、14歳以下の小児、60歳以上の高齢者でも有病率が高くなってきているという▼花粉症への対策としては、林野庁の無花粉スギへの植え替えや、森林総合研究所のこれら選抜や育種などがある。また農研機構は花粉症などのアレルギーにメチル化カテキンを多く含む緑茶が効果を発揮することなどを明らかにしている▼新型コロナウイルス感染症の症状は、風邪にも花粉症にも似ている。そして感染症の予防策である換気は花粉を流入させ、咳やくしゃみを誘発してしまう。こうした症状へ周囲に理解を求める「花粉症です」と書かれたバッジ等が話題になったが、花粉症であることと感染症ではないことに因果関係はない。コロナ禍で不安を感じることは当然で、心の不調は自覚しづらく個人差もある。こうした問題に対処する正しい知識も広げていく必要があると思う。

  • facebook
  • twitter
  • Google +
  • はてなブックマーク
  • LINE
  • Mail
THE SCIENCE NEWS
  • facebook
  • twitter
  • Google +
  • はてなブックマーク
  • LINE
  • 購読申込
  • メール