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コラム・素領域

2022年1月21日号

素領域

「医食同源」ということばがあるように、食事は我々の健康に欠かせない大切なものである。今年も食べた人がいるだろうが、新年1月7日の朝食に食べる七草粥の習慣なども、健康を願う昔の人の知恵だろう▼農林水産省「数字で見る日本の食(2018年度食育白書から日本の現状を紹介)」によれば、第3次食育推進基本計画において、食事面で健康のためにするよいこととして、主食・主菜・副菜を組み合わせた食事を1日2回以上ほぼ毎日食べることを推奨している▼主食はごはん、パン、麺類、主菜は肉、魚、卵、大豆料理、副菜は野菜、きのこ、いも、海藻料理である。しかし、それを実践している人は同省の食育に関する意識調査(2018年度)では58・6%に過ぎなかった▼食事でよいことと言えば、子供のころに「よく噛んで食べなさい」と言われたことのある人は多いだろう。近年のTV番組では大食いや早食いの競争が放映されているが、やはりゆったりとした気分で食べたいものである▼ところで、早稲田大学スポーツ科学学術院と国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の研究グループが、これに関連して12月9日に興味深い研成果を発表した。食物の形状(固体・液状)を問わず、咀嚼が食後のエネルギー消費量の増加を導くことを、科学的に明らかにしたのである。つまり「ゆっくり味わって、よく噛んで食べることが、食後のエネルギー消費量を増加させる」ことになるのだ▼昔から言われてきた「よく噛んで食べなさい」という注意は、何の根拠(エビデンス)もないことではなく、科学的な裏付けがあったわけである。研究グループは、この成果が咀嚼を基本とした減量手段の開発に今後役立つと期待している。肥満気味の人は実践してみてもよさそうである。

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