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コラム・素領域

2022年3月4日号

素領域

カメラやセンサーの小型化・高感度化に伴うバイオロギングの発展は目覚ましく、これまで知られていなかった野生生物の生態が明らかになってきている。バイオロギングは野生生物に小型の行動記録計(データロガー)やGPS装置などの機器を装着し、その動物の生態や周囲の環境情報を記録する手法で、動物を捕獲して回収したり、機器のみを回収したりすることによって人間が観察することのできる範囲外の情報を取得できる▼最初は主に広く深い海を移動する比較的大型の海洋生物に使われてきた。近年では小型の生物にも適用できるようになり、鳥類や昆虫にも使われている▼名古屋大学のチームは、同手法で海鳥のオオミズナギドリの渡りを2017~18年に記録。巣立ちした幼鳥だけの群は渡りを行う際の飛行ルートが親鳥とは異なることを明らかにした。また同手法を海洋ごみ分布の調査に利用する研究も行われている。国立極地研究所などのチームは海鳥のクロアシアホウドリにGPSとビデオカメラを装着して取得したデータを解析したところ、13匹中7匹が海洋ごみに遭遇。海洋ごみが同種の採餌場所近くの黒潮南側の比較的海流が緩やかな海域に集中していることが昨年明らかになった▼近年では、バイオロギングをペットに利用したサービスも登場。首輪に内蔵した加速度センサーで24時間データを取得し、AIで解析して飼い猫が何をしているのか1~2分程度のタイムラグで教える▼進化するバイオロギングが我々に何を教えてくれるのか、引き続き注目したい。

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