第8回アフリカ開発会議(TICAD8:8th Tokyo International Conference on African Development)が8月27~28日にチュニジアで開催された。同会議は日本政府が主導し、1993年から国連、国際開発計画、世界銀行、アフリカ連合委員会との共同で「アフリカの開発」をテーマに開催されている国際会議で、アフリカでの開催は2016年にケニアで開始されて以来2回目となった▼同会議には林芳正外相が直接参加し、アフリカ48カ国から首脳級20人のほか国際機関や民間企業、市民団体の代表等が出席した▼岸田文雄首相は開会式にテレビ会議システムを介して「日本はアフリカと『共に成長するパートナー』でありたい」と述べ、「人」に注目した投資や支援を行い、官民あわせて今後3年間で総額3百億ドル規模の資金投入を行うと表明した。具体的には「アフリカ・グリーン成長イニシアティブ」の立ち上げ、官民あわせて40億ドルの資金投入や投資の促進などをあげた。またエイズ、結核、マラリアの三大感染症対策支援と保健システム強化への貢献としてグローバルファンドの第7次増資に関し今後3年間で最大10・8億ドルを拠出。そのほか幅広い分野で30万人の人材を育成するという▼アフリカは貧困や格差、政治不安、水や衛生環境の不整備など様々な課題を抱えている。新型コロナウイルス感染症の拡大や紛争の勃発は経済に深刻な打撃を与え、これら課題の解決をより困難にした。アフリカに関わらず、しわ寄せはいつでも弱いところにいくことを忘れないでいたい。
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