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コラム・素領域

2022年10月21日号

素領域

「人生100年時代」という言葉をよく聞くようになった。これを実現している100歳以上の長寿者を「センテナリアン」と呼ぶ。日本では2022年現在、なんと9万人を超えたという。しかも、そのうちの2割に当たる人が自立した生活を送っているそうで、そのことに驚きを覚える▼長寿者には、何か生活の傾向があるのだろうか。日本の大学での研究で、その一端が明らかになってきた。このような人たちの特徴として、認知機能が高い、心臓疾患になっていない、高齢になってもフレイル(虚弱)に移行する時期が遅いことなどが示されている▼例えば、病院で診察を受ける場合にも自分一人で行くことができるといったことだ。運動機能が衰えていないため有酸素運動が続けられ、脳の血流も促進されて、体全体が好循環となる。日頃からウォーキングや水泳などを積極的に生活に取り入れている。また、地域のイベントやサークル活動にも参加するといった姿勢もプラスに作用しているのである▼さきに触れたフレイルとは、加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能など)が低下した虚弱な状態を指す。どんな人も老化は避けられない。一方で適切な対処で十分にフレイルを乗り越えられる可能性があるとの指摘もある。そのキーポイントは運動にあるようだ。専門家も「脳を鍛えるには運動しかない。運動を定期的に続けることで認知機能の低下を防げ、認知症になる確率をかなり減らせる」と強調する。長寿者の生き方に触れるにつけ、運動の大切さは身に染みて分かる▼ただ、筆者には継続して行うことに自信が持てない。何か続けられる秘訣はないものだろうか。

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