桜は関東までほぼ開花を迎え、今年の開花は平年と比べかなり早いものになった▼今年は都市公園制度が開始されてから150周年の節目の年になる。同制度は1873年1月15日の公園開設に関する太政官布達第16号をもって始まり、これに基づき全国各地に公園が生まれた。都内では同年に芝公園と上野公園が開園した。(一社)日本公園緑地協会は同制度制定150周年記念事業ポータルサイトを開設し、各地のイベントを紹介している。新型コロナもなぜか収まり気味。お近くのお花見スポットにお出かけになられてはいかがだろうか▼太政官布達第16号は、1873年に発生した皇居の火災で隣接していた太政官庁舎が類焼し原本が消失。復元されるも1923年の関東大震災で再度消失した。現在は編纂された行政文書録を国立公文書館デジタルアーカイブで見ることができる▼政府は機能拡充を視野に入れ、既存施設の書庫が近年中に満架になることを受けて、国会前庭(憲政記念館跡地)に新たな国立公文書館を建設することになった。当初の予定では、開館は2026年度末だったが、埋蔵文化財発掘調査のため28年度末になった。建設予定の新公文書館が地下4階建て(旧憲政記念館は地下1階建て)であるせいかもしれない。また政府はこの開館時期をめどに、行政文書の本格的な電子的管理への移行を目指している▼紙は素敵なものだが、かさが張り傷みやすい。利便性・効率性の向上はもとより自然災害が多い日本では電子化は必須だろう。電子化すればAIによる解析も容易になる。新たな可能性に期待したい。
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