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コラム・素領域

2023年10月20日号

素領域

春の花粉症はスギやヒノキの花粉が原因だが、秋の花粉症は主にイネ科、ブタクサ属、ヨモギ属、カナムグラといったいわゆる雑草の花粉を原因としている。東京都は都内の主要な花粉の観測を継続し、1月上旬から5月中旬まではスギ・ヒノキ花粉、5月下旬から11月下旬までは前述した雑草の花粉を測定。東京都保健医療局のサイトで公開している▼政府は今月10日に「花粉症対策初期集中対応パッケージ」を公開したが、これはスギ花粉を対象とした対策となっている▼秋の花粉は春の花粉と比べて粒子が細かいので気管に入りやすく喘息のような症状を引き起こしやすいという。この時期に熱もないのに風邪のような症状が出たら花粉症を疑ってもいいかもしれない。市販の風邪薬でお茶を濁すよりは医療機関の診断を受けた方がよいだろう。今年1月には医師からの報告をもとに国民生活センターが行った調査で、花粉症への効果をほのめかした海外輸入の健康茶にステロイドが含有していたことが明らかになり、健康影響への懸念から注意喚起が行われたことは記憶に新しい▼順天堂大学の研究グループは2018年から、花粉症研究用スマホアプリを用いて収集した花粉症関連健康ビッグデータを解析することで、多様な花粉症の症状の層別化や発症要因の解明等に取り組んでいる。個人差が大きい花粉症について、患者・市民参画による研究で、症状の見える化を進め病態理解による診療の質向上も期待されている▼秋の花粉への対策については雑草を根絶するくらいしか思いつかない。かといって雑草1本生えていない世界に住みたいとは思えないので、今後の研究に期待したい。

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