1日1日午後4時10分頃、石川県能登地方をマグニチュード7・6、最大震度7の地震が襲った。お亡くなりになった方々に謹んでお悔やみ申し上げるとともに、被災された方々には心からお見舞い申し上げます▼国内で震度7を観測したのは、2018年の北海道胆振東部地震以来で、同じ震度7を観測している熊本地震、東北地方太平洋沖地震、新潟県中越地震などでも大きな被害が出ていることからも、地震の大きさがわかる▼防災科学技術研究所は1日夜、能登半島地震に関する防災クロスビューを立ち上げた。これはSIP4D(基盤的防災情報流通ネットワーク)等により共有された災害対応に必要な情報を集約し、統合的に発信するものだ。例えば、各地域の通信状況、衛星写真、住宅被害状況、断水戸数、建物被災状況などの情報を表示したり、重ね合わせたりできる▼被災地域の対策本部には様々な情報が集まるが、その中で必要な情報を精査し、判断につなげることで、適切な被災者支援や救助、インフラ復旧などが可能になる。まさに科学技術の力が生かされている▼今回の地震は、複数の活断層が連動することで大きなエネルギーが生み出されたと考えられている。日本は地震研究の世界最先端を行くが、まだまだ分からないことが多い。地下にある活断層の位置や大きさなどは推定できるものの、海底下の断層調査は難しく、マントル層の動きやエネルギー分布は正確に捉えることも困難だ。防災に役立てるためにも、基礎・基盤に立ち返って研究を推進すべきだ。
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