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コラム・素領域

2018年9月21日号

素領域

アメリカの話題ではあるが、最近ちょっとした驚きが広がった。日本でも波紋を呼びそうな話だ▼全米大学医学部ランキングで常時トップ10に入っているニューヨーク大学医学部が、授業料を全面無償化すると発表したのだ。一部の優秀な学生に対する奨学金でも、経済的に恵まれず苦学している学生への配慮でもない。アメリカでは9月は入学時期でもある。これから入学する学生約100人、在学中の学生400人の全てを対象に授業料が免除されるというのだ▼アメリカばかりではないが、入学から卒業までにはとにかくお金がかかる。特に医学部ではなおさらだ。日本でも親御さんの負担はいかばかりかと想像してしまう。ニューヨーク大学医学部の場合、授業料は年間約600万円だそうだが、医学部の学生の4人に3人はローンを組んで支払い、多額の借金を抱えたまま卒業し、その後の返済に四苦八苦することは珍しくないという。その額は平均2千万円との報告もある▼無償化に踏み切った大学側の説明からは「高額授業料こそが優秀な学生の医学部選択を妨げている」という声が聞かれる。このままでは医師になる学生が減るだけでなく、たとえ医師になったとしても、報酬の少ないとされる小児科医や内科医のなり手が先細りになることが懸念されている。今やアメリカでは、医学部に限らず授業料の高騰が社会問題となっている。公立の大学では無償化に踏み切るところが少しずつ出てきているという▼その波紋は全米トップクラスの医学部に広がるものと推測されている。少子化が進む日本でも、優秀な人材を集めようとこのような対策をとる大学がでてくるかもしれない。

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