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コラム・素領域

2018年9月14日号

素領域

9月6日未明に発生した平成30年北海道胆振東部地震で被害に遭われた方々に謹んでお見舞い申し上げます▼今回の地震では、北海道で初めての震度7を記録しただけでなく、北海道電力管内全てで停電が起きた。震源地付近の厚真町では、緑色の山容は一変し、強震で表層が削がれ、茶色の土壌がむき出しになった。その山々の端では住宅が土砂に飲み込まれ多くの人が犠牲になった。大規模な土砂崩れの様子はJAXAの陸域観測技術衛星だいち2号でも観測された。地震調査研究推進本部の「全国地震動予測地図」では今年、千島海溝沿いの地震活動の長期評価を加えたことで、北海道の一部では今後30年以内に震度6弱以上の揺れが起きる確率が昨年よりも上昇した。ただし、もともと日本は全国どこでも震度6弱の大地震が起きる可能性がある▼今月は防災月間で、防災意識の重要性を再確認する機会でもある。今回の地震では、発電所が安全のために自ら停止したことで道内全戸約295万戸が停電した。電気が途絶え多くの人がテレビやスマホを使えなくなり、情報を得られない中で不安を募らせただろう。簡易充電器を買い求める人の長い列ができ、ニュースでもスマホの節電方法を紹介した。通信大手のKDDIは海底ケーブル敷設船を沖合に停泊させ、国内で初めて船舶型基地局として運用した。船舶型基地局は、東日本大震災を契機につくられたものだ。一般公開のため北海道付近にいた南極観測船しらせも地震発生当日に苫小牧港に入り、食料の提供や入浴支援を行った。台風により関西国際空港で連絡橋が通行止めになり旅客が取り残された際も、どの交通手段より迅速に救出したのは定期航路を持つ高速船だった。東日本大震災でも多くの船舶が活躍した。海に囲まれた日本では海上からの支援は重要になる▼自然災害をいかに軽減し、社会の機能を速やかに回復させるか。その手段はいまだ発展途上だ。大きな災害が起きるたびに、日本は研究開発により一層注力せねばならないと感じる。

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