生活習慣病は食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群として定義され、かつては成人病とよばれていた。1996年12月に成人病に変わる新たな疾患概念として生活習慣病の呼称を導入。厚生労働省は2009年まで毎年2月1日から7日までの1週間を生活習慣病予防週間として定め、この知識の普及啓発活動を行っていた。10年からは毎年9月の健康増進普及月間として実施している▼現在はこのコンセプトを(一社)日本生活習慣病予防協会が受け継ぎ、毎年2月を「生活習慣病予防月間」として予防と健康寿命の伸長を目指して活動している。基本テーマは「一無(禁煙)、二少(少食、少酒)、三多(多動、多休、多接)」。日常心がけてほしい生活習慣をわかりやすく表現した健康標語だ。ちなみに「三多」とは、無理な目標は立てずによく歩くことから始め、適正な睡眠時間をとり、社会とのつながりをもつことだという▼同協会の生活習慣病予防月間2025サイトによるとWeb開催による市民公開講演会(登録不要)が2月上旬に予定されている。今年は「『少酒』~からだにやさしいお酒のたしなみ方~」をテーマに筑波大学医学医療系の吉本尚准教授による講演が行われる▼同サイトではリスクをチェックできる生活習慣病予防啓発ツールや予防月間のポスター、リーフレットが配布されている▼生活習慣病の1つである高血圧性疾患で治療を受けている総患者数(2023年)は約1600万人で前回(2020年)より約100万人増加した。高血圧予防にはまず食塩摂取量の制限が求められる。推奨は1日7㌘未満。ラーメンの汁まで飲むとそれだけで6㌘近いのでご参考までに。
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