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コラム・素領域

2021年1月8日号

素領域

昨年の科学界の快挙といえば探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」の砂などの試料を地球に持ち帰ったことがあげられる。初代の「はやぶさ」は帰還はしたが、十分な試料は得られなかった。今回は太陽系の成り立ちや生命の起源といった謎に迫ることができる▼ところで今、地球の周りに漂う宇宙ゴミの処理が急務で、各国がいろいろな対策を行おうしている。地上から見上げる空は無限のようにも思われるが、意外と狭い▼宇宙ゴミは、地上の望遠鏡でとらえられる10㌢以上のものだけでも2万個、1㍉以下となれば1億個以上あるといわれている。厄介なのは、小さくても秒速7㌔以上のスピードで動くこと。もしも衝突すれば損害は尋常ではない。実際10年ほど前には、米国とロシアの衛星が出合い頭に衝突し、新たな宇宙ゴミを生んでしまっている▼国際宇宙ステーション(ISS)では、年間に100回ほど意に反した軌道変更を余儀なくされている。これはもう脅威にほかならない。では対策はというと、「ゴミを出さないよう監視する」「国際標準づくり」「宇宙空間からの除去」の3本柱で行われる。すでに日本の宇宙ベンチャーでは、制御不能のまま漂う衛星を捕まえ、大気圏に突入させ燃やしてしまう実験を実施する。3月には実験衛星を打ち上げる▼日本政府も運用を終えた政府の衛星を大気圏処理し、除去衛星に安全に接近するためのガイドラインを決めるようだ。これは国際貢献にもつながるだけに、主導的な役割を果たしてもらいたい。

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