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コラム・素領域

2021年11月26日号

素領域

啓蟄は虫が春を感じて冬ごもりから出てくる時期だが、その逆の虫が冬ごもりする時期は閉蟄と言い、旧暦10月上旬頃を指すという▼昆虫は変温動物であるため、気温が下がると活動できなくなる。一方で恒温動物より低温下の生存という面では寒さに強く、多くの場合凍結しなければ休眠することで冬の厳しい季節に耐えることができる▼昆虫は恒温動物より高温には弱いが、一般的に幼虫であれば10度C以上で発育し、成虫であれば10度C以下で生殖が停止する。発育が停止する温度は発育零点とよばれ、昆虫の種類ごとに異なる▼テントウムシは集団越冬することが知られているが、同じテントウムシでもナミテントウとナナホシテントウでは発育零点が異なることが報告されている。ナミテントウはナナホシテントウや他の昆虫より発育零点が低く、より寒いうちから活動できるようだ▼EUは今月12日に、厳しい科学的評価に基づき、食品としてトノサマバッタ(Locusta migratoria)の市場投入を新たに認定したと発表した。トノサマバッタには孤独相と群衆相の表現型があるが対象は孤独相のようだ。湯通しの後凍結あるいは乾燥したものが評価された。昆虫の食品としての認定は乾燥イエローミルワーム(チャイロコメノゴミムシダマシの幼生)に次ぐ2番目だという▼国際連合食糧農業機関は、昆虫が栄養豊かな重要な食料源であることを認識。日本でもイナゴは古くから食べられてきたし、最近ではコオロギ入りの菓子なども売られている。ひとつお試ししてはいかがだろうか。

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