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コラム・素領域

2022年1月1日号

素領域

謹んで新年をお祝い申し上げます。旧年中はひとかたならぬご厚情を賜り、誠にありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます▼新型コロナウイルス感染症は日本では沈静化しているものの世界的な拡大は衰えをみせない。新規感染の平均報告数が最多の米国では、これまでに81万人が同疾患で死亡し、日本では1万8千人余りが死亡した。沈静化の理由が不明なまま日本でも新たな変異株が拡大している▼Agoopによる携帯電話の情報を元にした主要駅の人流解析では、JR東京駅から半径500㍍以内の平均人口は感染拡大前と比較して、平日はまだ少ないものの休日はほぼ同程度まで戻っている。危機意識の緩みもあるのではないだろうか▼今年は寅年。現在の日本に野生のトラはいないが、後期更新世以前(1万1700年以前)の本州にはいたことが化石記録からわかっている。トラはネコ科最大の動物でユーラシア大陸に広く分布し、20世紀初頭には10万頭が生息。しかし乱獲や密猟、生息地の破壊で個体数が激減し、現在は絶滅危惧種に指定され、保護で少々回復するも野生個体は約4千頭に満たない。2018年に全ゲノム解析で9亜種に分類され、3亜種は既に絶滅。現存するトラは6亜種に分類されることが明らかになった。国内の動物園にはアムール、ベンガル、スマトラの3亜種がいる▼トラは他のネコ科と異なり水を好み、単独行動が基本だ。トラに倣って初心に戻り、それぞれが感染対策に努めたい。手洗い、3密の回避をお忘れなく。

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