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コラム・素領域

2018年1月19日号

素領域

大抵の新しいことは予定通りにいかないことの方が多い。特に先端的な分野ではよくあることだ。テクニカルな点だけでなく計画そのものに不安要素があったりする。しかし、うまくいかない過程から、画期的な発見があったりする。だから研究は面白いし、奥深い。うまくいかない方が多くの知見を得られることもある▼昨年、民間企業の宇宙開発・利用への参画を促す宇宙2法が施行された。宇宙ベンチャー各社が資金調達に成功しており、国もトップセールスで新興国に人工衛星などを売り込むなど、国内の宇宙分野の勢いには目を見張るものがある。しかしながら、人工衛星やロケットを宇宙に届けることは容易なことではない。今年度は、宇宙ベンチャーによる、観測ロケットの失敗、宇宙ゴミの分布を観測する衛星の軌道投入の失敗が相次ぎ、月探査ローバーを輸送するロケットの打ち上げ遅延で国際コンペへの参加が極めて厳しい状態にあることなど苦難が続いている▼一方で、米国の宇宙ベンチャー・スペースXは幾度かのロケット打ち上げ失敗を乗り越え、国際宇宙ステーション計画の重要な輸送請負会社として信頼を得ている現状がある。幸いにして、昨年失敗した2つのプロジェクトは、次の計画が組まれており、各ベンチャーは再挑戦に意欲を燃やしている。1回の失敗で終わらせてはいけない▼昨今はどこを向いても効率を求め、失敗を許さない雰囲気に満ちているように思う。なんと窮屈なことか。そうした中でも失敗を糧に進むことが科学の真骨頂なのではないか。

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