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コラム・素領域

2017年2月17日号

素領域

IT人材が足りない。ここ10年以上、言われ続けていることだが、なかなか解消しない▼大学が産業界の求める人材育成をしていないのではないか。そんな批判もあったが大学はかなり変わってきた。企業からの寄附講座の設置やIT系講義の充実、さらには業界団体からの出前授業なども取り入れて、IT関連の科目を強化している▼では、どうして足りないのか。大学関係者によると、選択科目の場合は、学生が取らないのだという。取らなくても卒業できるし、企業に就職できるからだ▼こうした問題について理工系人材育成に関する産学官円卓会議では昨年8月、産学官がそれぞれ実施すべき行動計画を取りまとめた。その中では、採用活動において理工系人材が備えるべきスキルを評価することも盛り込まれた。しかし関係者によると、昨年末時点で履修履歴を採用活動に利用しようという動きがほとんどないという▼採用における履修履歴の活用は、学生の履修行動に直結するものだが、その実施が遅れれば遅れるほど、IT人材の絶対量は減ってしまい、結果的に産業界の首を絞めることになるが、その動きは遅い▼最近ではプロジェクト型教育が大学でも導入されているが、千葉大学等の調査によると過去3年間で協力した企業は16%にしかならないという▼審議会等では、産業界の委員から、古いイメージや多様な大学の一つの側面だけをクローズアップした定性的な大学批判がなされることが多い。産業界には、それ以前に自らの行動を律することが求められている。

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