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コラム・素領域

2019年3月22日号

素領域

近年、自動翻訳技術の精度が急速に向上し、利用が広がりつつある。そうした中で、総務省とNICT(情報通信研究機構)が都内で開催した「第2回自動翻訳シンポジウム」を聴講してきた▼会場は用意された椅子席がほぼ満杯状態で、自動翻訳に寄せられる関心の高さを実感した。当日は400人程度が集まったようだ。この種の講演会としては上々の人気といえるだろう▼シンポでは、NICTが開発・実用化した音声翻訳アプリ「ボイストラ(VoiceTra)」の説明があった。この技術は、日常会話程度なら十分利用できるレベルにあり、スマホや専用端末で使えるよう実用化されている▼実際に、この技術を医薬品開発向けのAI翻訳として試用し、評価を行った製薬会社の講演もあった。医薬品という専門分野の文章を自動翻訳して、それをプロの翻訳者が見直した結果、修正が非常に少なく精度が高いと評価され、有用性が確認できたとしている▼この「ボイストラ」のように、自動翻訳技術が最近急速に向上したのは、NMT(ニューラル機械翻訳)というAI技術によるところが大きい。膨大な対訳データから学習したニューラルネットワークを用いて自動翻訳することで、従来技術よりも高い精度が実現可能になってきたそうだ▼一方で、精度を高めるにはAIが学習する質の良い対訳データが多ければ多いほどよいという。そのため、NICTではオールジャパンで様々な分野の対訳データを集積する「翻訳バンク」を展開している▼このようにAIが学習して賢くなっていくためには、もとになる、より豊富で良質な学習データが必要なのだ。これは人間も同じだろう。違うのは、機械なので人間よりもずっと計算能力や記憶力に長けたところだろうか。

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