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コラム・素領域

2019年6月28日号

素領域

北欧エストニアでのロボットワークショップに出席して、日本とエストニアの架け橋になりたい-クラウドファンディングで約48万円を集めたのは、東京都の小学5年生・井上美奈さん(10歳)だ▼何かを表現することやアイデアをかたちにすることに興味を持って、スタートアップ体験イベントや、エストニアで2001年に始まったロボット×アントレプレナー教育ネットワークの日本版に参加し、80代のプログラマー・若宮さんら多くの人たちと知り合った。その中で、エストニアではSTREAM教育(Science,Technology,Robotics,Engineering,Arts and Math)が行われていることを知り、それが多くの起業家が生まれる背景にあるのではないかと考え、エストニアに興味を持つようになった。そうした時、エストニアでロボット×アントレプレナー教育ワークショップが開催されると知り、参加したいとクラウドファンディングに挑戦した▼自分が10歳の時、興味を持ったからといって、自分でエストニアへ行こうと考え、渡航費用を集めようと行動しただろうか。残念ながら、考えもしなかっただろう▼美奈さんの成功の鍵は、ネットによって、多くの人が知る機会を得られたこと、そして物語性と挑戦性に共感したことだ。IT化、ネットワーク化がこうしたことを可能にした。環境の変化が若者の機会を広げることで、さらに若者の挑戦性を拡大させる好循環が生まれている▼政府は統合イノベーション戦略を閣議決定し、ソサエティ5・0実現に向けて投資や規制改革を進めようとしている。その際、研究者の挑戦性を促進し、好循環を形成するための環境を作ることが重要だろう。

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