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コラム・素領域

2019年10月11日号

素領域

森林は、春になると新緑の季節を迎え新たな息吹が芽生える。そして秋、赤や黄色に一面色づき、鮮やかな世界が展開する。こうして人間が森林とかかわることは、森林浴という言葉もあるように、健康にもよさそうではある▼これはオーストラリアの研究成果ではあるのだが、樹木など緑地の多い環境で生活することが健康状態に及ぼす影響を検討している。約4万7千人(平均61歳)を対象に、居住地から半径1・6㌔㍍に占める緑地の割合と健康との関連を評価した▼研究では、緑地を樹木、草地、その他の3種類に分類している。平均6・2年にわたる追跡調査の結果、樹木の占める割合が0~9%の環境に住む人と比較して、緑地面積が30%以上の人は、精神的な苦痛を訴える人が31%、自身の健康状態が悪いとした人が33%と、有意に少なかったという▼ただ、森林浴の効果といえば、科学的な面よりは精神的なものが大きいとされてきた。科学的根拠としては、微生物の活動を抑制する作用を持つ、樹木などが発散する化学物質であるフィトンチッドが挙げられ、それが健康面にもたらす効果が期待されている。日本でも、森林浴の効果を科学的に検証し、予防医学に役立てる取り組みが本格的に行われている▼もっとも樹木の効果はともかくとして、多くの日本人にとって、積極的に森林浴をしようとしても、そのような緑多き理想的な環境を得るのは難しいかもしれない▼街の緑地化を検討して居住環境に少しでも樹木を増やしていくことが健康によい影響を与える可能性があるのは事実。工夫してそのような環境を持てるように努力することは大事だと思う。

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