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コラム・素領域

2020年2月28日号

素領域

農作物をはじめとした優良な新品種の海外流出を防止することを主な目的とした種苗法の改正案の審議が今国会で予定されている。内容は農林水産省の有識者会議(優良品種の持続的な利用を可能とする植物新品種の保護に関する検討会)が昨年11月とりまとめた。現行の種苗法では、品種登録されていてもその品種の開発者(育成者)にはその意図に反した利用、例えば海外持ち出し等を制限する権限がないことなどを受けて、この適正化を目指した▼改正案では育成者の意図に反する海外の持ち出し等を行った場合、それが悪質な違反であれば、知的財産権法などに倣い懲役10年以下または罰金1千万円(法人は3億円)の刑事罰が科される。品種登録されていない大多数の一般品種については、従来通りその利用や増殖に制限はない。反対もあり、検討事項はまだあるようだが、改善につながることを期待したい▼日本気象協会が2月23日に発表した今年の桜(ソメイヨシノ)の開花予想によれば、福岡の3月16日を皮切りに、東京は17日、名古屋は18日、高知は19日、3月末までに西日本、続いて東日本で開花。4月中旬までに東北で開花するという。この冬は例年より暖かかったことから、記録的な早さで開花。特に関東から東北では例年より10日ほど早いという▼一般的にウイルスは一部を除いて、気温と湿度が低いと伝播力が高まる。新型コロナウイルスは不明な点が多く確かなことはいえないが、早い春の訪れは種苗法改正とともに歓迎されるだろう。

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