11月3日の「文化の日」は「自由と平和を愛し、文化をすすめる」という趣旨で昭和23年に「国民の祝日」に制定された。昭和21年のこの日に日本国憲法が公布されたことを記念している▼文部科学省は毎年、11月1~7日を「教育・文化週間」として教育・文化に関わる活動を奨励するとともに、文化功労者の顕彰などを行っている。また文化庁は文化庁芸術祭を、関東では10月12日から、関西では10月2日から、いずれも11月10日まで開催。演劇、音楽、舞踊、大衆芸能の公演が行われている。例年「文化の日」は博物館等で入館無料日に設定されていたが、今年は多くが事前予約制を採用したり中止したりしている。あらかじめWebサイトなどで確認することをお勧めしたい▼10月から11月にかけては秋の学会シーズンだが、今年は多くがオンライン開催に変更されている。オンライン開催はどこからでも簡単に参加でき、旅費や滞在費がかからない利点がある。一方で指導教員が重視している若手研究者の訓練の場としての口頭発表の緊張感が薄れたり、共同研究のきっかけとなる出会いの機会が減少するといった課題があるだろう。VRのシステムが普及してアバターを利用すればある程度課題はクリアできるかもしれないが、信頼関係を築くのには時間がかかりそうだ▼新型コロナウイルスの感染症が拡大してから半年以上経過した。感染の収束は見えないが、経済活動は戻りつつある。過渡期を乗り切るためにも、研究者の交流が進むことを期待したい。
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