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コラム・素領域

2020年12月18日号

素領域

新型コロナウイルス感染症の中和抗体を含むダチョウの抗体マスクが売れており、注文しても3カ月待ちだという。京都府立大学の塚本康浩教授は十数年前、JSTの支援で様々な抗体をダチョウの卵(ダチョウの卵は鶏の卵20個分)を使って大量に作製する技術を開発。当時、高病原性鳥インフルエンザ抗体を持つマスクとして注目を集めていたが、コロナ禍で新型コロナウイルス抗体を大量生産する技術を開発し、マスクに適用したところ注文が殺到した▼しかし製造・販売を行っているのはクロシードという福岡のベンチャーで、製造ラインを増やしても、パンデミックが収束した時に経営が悪化する可能性があるため大幅な製造ラインの増強はできないという▼神戸大学では、紫外線による新型コロナウイルスの死滅、オゾン発生に人の動きや空間のオゾン濃度センサなどを組み合わせた空間洗浄機を開発し、市販に向けて取り組んでいる。こうした動きは様々な大学や研究機関でも行われている▼インターネットで検索すると、新型コロナ対策機器としてオゾン発生装置、空気清浄機、UVライトなど、様々な製品が出てくるが、中には効果が怪しいものや家庭や店舗で使うには危険なものも含まれている▼第3波の中、感染を完全に防ぐことは難しいが、10人中7人が感染するところを1人に抑えることができれば、経済活動と感染予防は両立できる。どんなものに本当に効果があるのかないのかを政府として認定する制度や、資本力の小さな企業を支援する仕組みが求められている。

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