東京タワーでは「端午の節句」の特別企画として、333匹の「鯉のぼり」と「さんまのぼり」をタワーに飾る春の恒例企画が5月9日まで開催されている。「さんまのぼり」の掲揚は東京都と友好関係にある岩手県大船渡市へ向けた東日本大震災復興へのエールとして2011年から行っているという▼5月は五月病が問題になる時期でもある。五月病はもともと大学生に現れる、受験や試験からの開放感や環境の変化などに伴う一過性の鬱のことを指していたが、今や大学生以外の一般にも広く現れる症状として認識されている。医学的には適応障害と診断される。昨年から今年にかけては、新型コロナウイルス感染症の影響で、特に新入生や新社会人はオンライン授業やテレワークの実施など、従来と異なる状況に置かれている▼昨年8月、秋田大学が学部生と大学院生を対象として同感染症による社会生活の急激な変化がメンタルヘルスに与える影響をアンケートで調べた調査では、男女ともに約1割に軽度~中等度の鬱症状を確認している。また心身面の健康を保つためには、相談できる人の存在や運動が重要であることを明らかにし、学生らを支援すると共に他の因子を含め関連を明らかにするため引き続き調査を行っている▼一人暮らしを始めたりするなど新入生や新社会人はただでさえ孤立しやすい。周囲にそういった若者がいる人は、気にかけてあげてほしい。
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