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コラム・素領域

2022年3月18日号

素領域

21世紀に入ってもなお、人類は互いに国益などで争い武力による争いを続けている。第2次世界大戦で、多くの国のたくさんの人々が命を失ったが、その後も戦争はなくならず、地域紛争やテロが相次いで起きている▼今回のロシアによるウクライナ侵攻では、ロシア側が核攻撃をもにおわせて不気味な状況となっている。しかし、核攻撃は絶対に現実になってはいけない、人類最大の脅威である▼世界の主要国の一つであるロシアの大統領が、核兵器の使用を暗示するような発言をしたことは、大変な驚きであり、大変悲しいことである▼第2次世界大戦の際に戦争を回避できなかった国際連盟。その失敗をくりかえさないように生まれた現在の国際連合であるが、核兵器削減などではあまり機能していない▼しかし、重大な問題を引き起こす根本原因は、世界のリーダーを担ういくつかの国々が、いまだに多くの核兵器を所有していることではないか。安全保障というが、核抑止による安全確保というのは、裏返せば、実は現状は世界平和とは程遠い状況にあるということだ▼個人主義や全体主義、資本主義や社会主義・共産主義など、それぞれの国の思想や経済のあり方などは違っても、人々が平和に幸福に生きていきたいという願いは人類共通のはずだ▼最先端の科学技術は核兵器のような武器に使うのではなく、人類の幸福と平和のために使ってほしい。核兵器による威嚇で互いに安全を保とうという考えでは、いつまでたっても真の世界平和は訪れないだろう▼まずは世界から核兵器を一掃し、争いごとは話し合いで決着をはかる。世界のリーダー国は本気でそう取り組むべきだ。大国同士が核を頼みに威嚇しあっていては、戦争はいつまでたっても絶えないだろう。

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