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コラム・素領域

2022年9月16日号

素領域

インターネットの普及・発展に伴い急速にデジタル化が進む一方で、紙媒体の衰退が激しい。長く親しまれてきた新聞でさえ、今や1世帯当たりの購読部数が0・57部(2021年:日本新聞協会調査データ)という状況だ▼同調査データによれば07年にはまだ1・1部あったが、翌08年には0・98部と1部を切り、以降も減少を続けている。新聞に携わる者として、明るい未来はないのかと寂しい気持ちになってしまう▼しかし、そう悲観することばかりでもなさそうなデータもある。例えば「令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告:総務省情報通信政策研究所」(8月26日発表)の内容である▼同報告におけるメディアの信頼度・重要度の調査結果では、テレビ、新聞、インターネット、雑誌の4メディアの中で、信頼度については新聞が最も高くなっている▼これは、10代から60代の男女1500人を対象にした調査である。信頼度は、新聞が62・8%であり、次いでテレビ60・3%、インターネット28・2%、雑誌16・5%という順序である▼12年度以降、今回までの毎年度の調査報告でも順位に変動はなく、信頼度は新聞が最も高いという結果となっている。では新聞媒体はどうして衰退しているのか▼同じ調査報告におけるメディアの重要度の調査結果では、情報源としての重要度はテレビが83・9%、インターネット77・7%、新聞48・7%、雑誌15・7%の順である▼また、娯楽としての重要度では、インターネット85・7%、テレビ84・5%、雑誌33・0%で、新聞は30・8%と最も低い位置にいる。新聞媒体が巻き返しを図るとすれば、こんなところにヒントがあるのかもしれない。

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